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小さな巨人

前回からの続きです。

シモーネは小柄である。
サルデーニャとカラブリアの血を引いているので、しょうがない。

サルデーニャ島を訪れたとき、古い海辺の民家を見て驚いた。
地中海に浮かぶ島であるサルデーニャは、1年を通して風が強い。風を避けるため、特に海辺のお家は1階建て、しかもかなり高さが低い。


日本人の私から見てもその家々は驚くほど低かった。


私の両親が始めてシモーネと会ったときの感想が、「シモちゃん、カワイイ」だった。
いきなりのチャン付けだった。

おそらくイタリアを熟知している人以外、イタリア人の男性=ジローラモと浮かぶだろう。

イタリア人の彼がいる、と打ち明けた時から、両親はジローラモの様なチョイ悪イタリア人を想像していたに違いない。

そんな中、小柄のクリクリ黒髪のシモーネが登場したから余計、「カワイイ」という言葉が合っていたのだろう。

今まで家作りから始まり、普段の行動も、今の工房作りにしても、とにかく彼は力持ち

小柄で普段はプヨプヨしているお腹周りでも、いざとなったら巨大な石でも動かせる(想像)ほど、力持ち

だから毎度、自分より重い、大きいものと対決している姿を見て、いつも”小さな巨人”と心の中で言ってる。

今では工房はこんな感じ。

シモーネブランドは、その名も"Simonsub”(シモンスッブ)
ウェットスーツの素材も揃い、フィッシング水中ガンやガンに装着するやりも揃った。
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こういうマニアックなもの、売っているお店がこのエリアになく、この槍のため、遠くから客が来るほど。

ウェットスーツを作るには、ネオプレンというゴム素材を使う。
種類は100とあり、ストレッチが効いているので専用のミシンを見つけるのも一苦労。
イタリア横断しながら集めた今のミシン。

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家庭用ミシンではもちろんNGで、工業用ミシンはひとつの動きしかしないため、一つのウェットスーツを仕上げるのに必要なミシンを揃えていったら、今では10台近くになってしまった。

約70平米の工房でも、コレだけのミシンや機械で、いっぱいいっぱい。

もうこれ以上、ミシンはカンベン・・・と思うも、時々またシモーネがネットでミシンを検索してるのを横目で見て、ドキドキしている。

先週、ネオプレン素材を保管する棚を作った。
棚といって良いのか分からないほど、巨大な棚。 高さ3メートル50、奥行1m40、幅2m10、10段の棚。

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心から一緒に手伝いたかった。本気を出せば出来る!と信じて手を貸したものの、持ち上げる前に手を切ってしまって何も手伝えなかった。力足らず。


少しずつ形になっていってる。
目で見てわかるけれど、工程はとても長い。
これからどこまで手伝えるか、が見所です。

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by yumi_nan911 | 2012-07-25 02:52 | お仕事 | Comments(12)
この記事からまったく仕事のことに触れずにいましたが、工房も整ってきたのでこの辺りで今の仕事を始めるまでのことを少し。

色々書きたいことはあるのに、マニアックすぎるので。

何度か書いたようにシモーネは、石油のプラットフォームやガスのラインなどの建設、メンテナンスを行う潜水士の仕事をしていて、趣味はスピアフィッシング。

そのうえ機械マニア。
木を切る機械、鉄を切る機械、はんだ付け、鉄やステンレスを折る機械を持ち、その上Tornio(伊:トルニオ)という鉄や銅を丸くきったり中に穴を開けたり、マルチプルな機械も購入した。
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こんな機械、今まで見たことありませんでした・・

この頃からすでに彼のマニアック度、すべて自分でやりたいの傾向は十分あった。

2ヶ月不在にする仕事も、終わると家に1ヶ月以上いることもあったので、時間があるとこういう機械を使って自分でスピアガンの部品を直したり、人から頼まれたり、前から自分で作る趣味があった。


そんな仕事をしている彼とイタリアでの生活をするにあたって、やっぱり不安もあった。
イタリア語もろくに話せないのに、彼が不在のときどうするか。

そんな理由から、家はマンマとパパの住んでいるマンションの物置として使われていた、屋根裏にシモーネが一人で作った。
そして二人の空間もありながら、シモーネ不在でも完全一人っきりにならない暮らしができた。友達も知り合いも増えて、“何とかなる”生活にもなった。

でもそれは、“何とかなる生活”であって、“何とかしなきゃいけない生活”であった。

イタリアが好きで好きで、憧れて住み始めたわけではなく、私がここに来たのは
“シモーネがいたから”

1週間や2週間の出張単位で考えられる期間じゃない、2ヶ月。

それはそれは私には長すぎた。2週間までは結構楽しい。友達とも出かけられて、ゆっくりも出来て、マンマもパパもいるし、一人っきりじゃないし。

でもこれからずっとこの生活が続くと思うと、時々息苦しくなった。
子供が出来たら?子育て期間もパパ2ヶ月単位で不在?

日本人の私が出来るフルワークの仕事が皆無なこの場所ではなく、旅行会社で働いていた経験の活かせる都市に移動したい、と本気で言った。

履歴書も送った、面接の日も決まりそうだった。

住所は住んでいるカラブリアで出したけど、仕事が決まれば移動すると。

シモーネも今度ばかりは本気だ、と思ったらしく色々言ってきた。

シ「都市でも一人残して仕事に行くのは余計不安だ」

ゆ「でもそのオフィスで働ければ日本人の同僚だっているし、日本人のお友達も出来る。
  その上あの町にはシモーネのおじさんが住んでるじゃない!いざとなったら一人じゃない」


シ「ん・・でも・・・」

のような会話を繰り返し繰り返した。

彼はイタリア国外や国内で仕事をしていたが、結局帰る場所はここなのであった。
そして私を一人で残すのも、ここなら不安が減り、都市なら不安が増える。

そうなら私は日本、あなたは仕事の時はイタリアに来て、終わったら日本に来れば?という、結婚生活解除的な考えも膨らまなかったとは言い切れない・・・これはイラっとした日でも口に出さずに良かったー。

話に話した結果、彼の頭にずっとあった(彼の夢のようなもの)ウェットスーツ製造やフィッシングガンの製造、メンテナンスなどの仕事を始めようと、この決心に至った。

どこも不景気だけど、幸いフィッシング好きが山といるこのエリアには、ウェットスーツ製造だけでなく、スピアガンのような少しマニアックなものを売っているお店もなく、一番近くはプーリア州のターラントまで行かないとない。

その点と、フィッシング仲間の知り合いが各地にいる、潜水士時代の同僚がイタリア各地にいる、働いていた会社のウェットスーツのメンテナンスも任された、そして何よりシモーネがこの仕事が好きだったこと。それが大きな理由だった。

一生続けられる仕事じゃないかもしれない。
でも今の世の中、一生続けられる仕事なんて少ない、と思う。


つづく
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by yumi_nan911 | 2012-07-23 19:09 | お仕事 | Comments(7)

地元のお祭り2012

去年も参加したローカルなお祭り。

名前は「Piazza Arcui(ピアッツァ・アルクイ)」、Piazzaとは伊語で”広場”、アルクイ広場と名づけられた通りで、毎年行われるローカルなお祭り。

イタリア語のPiazzaっていろんな意味が含まれていると思う。
単に広場というだけではなく、人々の交流の場という意味が強い。
世間話するのも、挨拶するのも、カードゲームをするのも、子供たちがかけっこしたりボール遊びをするのも、
野菜を買うのもお店がでるのも、すべてがPiazzaであった。

現在も小さな町では、小道に椅子をだして近所の人と世間話をするお年寄りを目にすることもあるが、めっきり少なくなったという。

そんな「人々の交流の場であった通りPiazza Arcuiで、集まりましょう!」という子供も大人も楽しめるお祭り。

私は折り紙教室で参加しました。
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基本は子供が多かったけれど、大人の参加も少々いました!
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みんな真剣でしたけれど、私が一番真剣でした・・・。
昔はよく作っていた折り紙でも、しばらく作っていなかったし思い出すのが大変。
インターネットで調べて、子供が好きそうなのを選んだのでした。

紙風船とか飛び跳ねるカエルなど、遊べるものが気に入った様子でした♪

私以外にも、保育園の先生達が子供たちと一緒に絵を書いたり、風船を配ったり、自分の作品を展示したり売っていたり。

それでも一番の見所は、”食”まさに食べるもの!

暑いなか、ベッキアレッデという名のピッツァ生地を揚げたものを作るシニョーラ達。笑顔が素敵!
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子供も大人も、ベッキアレッデがあるだけで満足なのです。地元の味、お袋の味なのですね。

彼らはカストロヴィッラリの隣の町、San Basile(サン バジーレ)という町のシニョーラ達。
サン バジーレは、アルバニア集落の町であり、郷土菓子も同じようで少し違う。


これはボッコノッティという名のお菓子。中にはブドウジャムが入って、揚げたもの。
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ちなみにカストロヴィッラリのボッコノッティは揚げません。

ズッカリッディ
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小麦粉と卵だけで作った生地に、砂糖加工したシンプルなお菓子。とってもやさしい味。
白いから新婦のお菓子といわれます。

昨夜はイタリアほとんどの家がテレビに釘付け。
そう、サッカーのヨーロッパ選手権!

急遽、スクリーンを出してみんなでイタリア戦を観戦しました。
2-0の時点で、PCがフリーズ、復活したときにはすでに4-0でした。
ある意味見なくてよかった・・・。

暑い季節の特に日曜日、町はやたらにガラーンとしていて、みんなどこに消えちゃったの?と思う事がある。

こういうイベントがあると、いろんな人に出会えて、話せて、とても楽しかったです006.gif


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by yumi_nan911 | 2012-07-02 20:02 | カラブリア郷土料理・菓子 | Comments(7)

イタリア、カラブリア州での毎日。イタリア観光地とは違う、南イタリアの生活や美味しい情報など。


by yumi_nan911
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